一般婦人科GYNECOLOGY4-3-3

子宮や卵巣の病気GYNECOLOGY TREATMENT

子宮には子宮筋腫、子宮腺筋症、頸管ポリープ、内膜ポリープ、子宮頸がん、子宮体がん、また卵巣には子宮内膜症による卵巣チョコレート嚢腫、その他の卵巣嚢腫、卵巣がんなどの病気があります。人間ドックの頸がん検診の際に子宮や卵巣が腫れていると言われた方もご相談ください。当院は総合病院での豊富な治療経験をもとに適切にフォローしていきます。

こんな症状でお悩みの方は
お越しください。

■ 子宮筋腫

子宮筋腫は20~40代の女性において最もよく見られる子宮の良性の腫瘍です。筋腫のできる場所により、漿膜下筋腫、筋層内筋腫、粘膜下筋腫に分類され、大きさ、種類により症状が異なります。生理の量が多くなる(過多月経)、持続日数が長くなる(過長月経)などの月経の異常や、子宮が変形することにより不妊症や流早産のリスクになることもあります。また、子宮自体が大きくなることで子宮の周辺の臓器を圧迫し、便秘や尿が近くなったり、骨盤の痛みを生じるようなこともあります。

■ 子宮腺筋症

子宮腺筋症は30代後半から50代にかけて多い疾患で、子宮内膜に類似した組織が子宮の筋層の中にできる病気です。以前より、子宮内膜症と同等の疾患として扱われておりましたが、近年、子宮内膜症との薬物療法に対する反応が異なると言われています。子宮腺筋症は大きくなると、強い月経痛・月経量増加・月経時以外の出血などの自覚症状を引き起こし、不妊を合併することもしばしばあります。治療法には,薬物療法と手術療法があります。

■ 子宮頸管ポリープ

子宮頸管粘膜の増殖性病変で、茎(くき)をもつような形で発育して外子宮口から露出していきます。深紅色のポリープ(キノコ状の小さな腫瘍)で、多くは単発で発生し、数mm~数cmの大きさです。30~40代の多産婦に多くみられます。がんなど悪性のものに変化することは、ほとんどありません。原因は明らかではありませんが、子宮頸管の慢性炎症が原因のひとつとして考えられます。無症状なものが多いのですが、少量の不正性器出血や帯下(たいげ:おりもの)の増量がみられることがあります。

■ 子宮内膜ポリープ

子宮内腔より発生するポリープで良性のものです。女性ホルモン(エストロゲン)の影響で起こるといわれています。多発性で本来平坦な子宮内腔の形態を損ねている場合には、不妊症の原因になりえます。また内腔の表面積が増大しますので、過多月経の原因にもなることがあります。過多月経や不妊症の原因となっている場合には摘出手術の対象になります。子宮内容除去術あるいは子宮鏡下摘出術が行われます。日帰り手術できるクリニックをご紹介しています。貧血症状や月経困難を伴わない、不妊症ではないといった場合には経過観察することもあります。

■ 子宮頸がん

子宮頸がんは子宮の「入り口」にできるがんで、婦人科がんでは最も頻度の多いがんです。また前がん病変である異形成(いけいせい)を含めると患者さんの数はさらに多くなります。特に20歳代~30歳代の若年の女性が罹患するがんの中で、急速に増えています。子宮頸がんは子宮頸部異形成を経て発症すること、そして異形成から発がんの過程でヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus;HPV)の感染が関与していることが明らかになっています。また、がんの組織型(顔つき)では、扁平上皮がんが約70%、腺がんが約30%と言われています。

■ 子宮体がん

子宮体がんは子宮の「奥」にできるがんで、子宮内膜がんとも呼ばれます。その頻度は近年急速に増加傾向にあります。未妊の女性、卵巣機能不全で排卵障害(無排卵)のある女性、多のう胞性卵巣症候群、女性ホルモン(エストロゲン)の長期内服、糖尿病、高度肥満の女性、家系内に子宮体がんや大腸がんの方を多数認める方(Lynch症候群)では、子宮体がんになるリスクが高いと考えられています。

■ 子宮内膜症

子宮内膜症とは、子宮内膜に似た組織が子宮内腔以外の場所で発育・増殖する病気です。卵巣に子宮内膜様組織が発育・増殖すると、この部位で生理と同じ現象が起き、血液が徐々に卵巣の中に貯まり、卵巣が腫れていきます。骨盤内でもこれと同様なことが起きると、子宮内膜様組織から出血した血液により子宮、腹膜、直腸などが癒着し、生理痛の原因となります。

■ 子宮内膜増殖症

子宮内膜は、通常でも月経後増殖して一定の厚みとなりますが、増殖の程度が異常に高く、子宮内膜の肥厚が顕著になる病気です。良性の場合と悪性の場合があり、悪性の場合は子宮体癌の前癌病態としてとらえられています。良性の場合、過多月経がなければ経過を観ることもあります。過多月経の場合、低用量ピルなどのホルモン療法による月経コントロールを行います。

■ 卵巣嚢腫

卵巣のう腫は、卵巣に発生する液状の内容を納めた袋状の病変で、若年(20歳代~30歳代)に多い良性腫瘍です。子宮内膜症により卵巣内にチョコレートのような古い出血が貯留する「卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)」、水や粘液が貯留する「嚢胞腺腫」、皮膚や毛髪・歯などの体の他の部位の組織が貯留する「皮様のう腫」などがあります。また排卵後、一過性に卵巣が腫れてくる場合がありますが(「機能性のう胞」や「黄体のう胞」と呼ぶ)、これらはしばしば卵巣のう腫と間違われます。

■ 卵巣がん

卵巣は腹腔内(お腹の中)にあること、また自覚症状が乏しいことから卵巣がんが発生してもなかなか早期診断が難しいがんです。実際に卵巣がんと診断された時にはすでにIII、IV期の進行がんであることが約半数であり、このことからも早期診断が容易ではないことが伺われます。その結果、卵巣がんの罹患数は約8000人/年であるものの、死亡数は約5000人/年と、死亡率の高いがんと言えます。また近年、ある種の遺伝子(BRCA1/2)の生まれながらの異常があると、乳がんや卵巣がんになりやすいことが判明しました(遺伝性乳癌卵巣癌症候群:HBOC)。

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デリケートゾーンの症状や性感染症

かゆみ、おりものの量やにおいが気になる方、できものができて気になっている方など気軽に聞いていただければ安心されると思います。見て判断できる場合もありますが、おりものを顕微鏡で確認したり細菌の培養検査、病理検査を行い、結果を待ってから治療することがあります。

生理のトラブル

生理は女性の健康や妊娠と深く関係しています。生理の痛みや量、生理前の不調、生理不順、不正出血などは生活の質を下げるだけでなく、病気が隠れているかもしれません。様々な治療方法がありますのでお気軽にご相談ください。

女性のヘルスケア

今は避妊したい方(ピル外来)、避妊に失敗した方(緊急避妊アフターピル)、仕事やスポーツ、ライフイベントにあわせて生理をずらしたい(月経移動)、などがあればご相談ください。申し訳ありませんが、更年期外来は行っておりません。

周産期PERINATAL PERIOD

妊娠初期

妊娠の可能性がある方は受診をしていただければ、超音波検査等により妊娠されているか診断し予定日を決定します。その上で、ご希望の妊婦健診先や分娩施設へご紹介いたします。

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院長堤 麻衣
診療科目産婦人科

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